あなたの学びをサポートします精神看護のストーリーstory
他職種からのメッセージ
法人事務局常務理事 横江邦彦
変化している精神科病院の役割
私が当院に来てから15年以上たち、その間精神科医療はずいぶん変化してきました。これまで精神科の病院は福祉的な役割が大きく、入院を余儀なくされた人が自立して社会で生活できるように生活全般を支援してきました。
平成18年に障害者自立支援法が施行され、「3障害一元化」となりました。精神を病む人は障がい者として福祉領域で扱われるようになり、精神科病院に期待される役割は、変化してきています。それは、より医療サービスの水準を上げていくことと、障害者自立支援法事業との連携、協働が求められるということです。
また、厚労省医療部会で精神疾患が「5疾病5事業」として、地域医療計画の中に加わることが決定しました。がんや糖尿病と同じように、患者さんが、いつでも安心して医療を受けられるような病院機能を持ち、医療相談も含めて信頼される病院になることが必要です。
患者さんから学んでほしい
ただ、医療化するということは、患者さんを一人の個性ある人として見るというよりも、病態や症状をなくすことに焦点が当たりすぎる危険性を孕みます。
私は精神障がいは、その人の個性でもあると思うのです。個性をもちながらその人が望む生活に向かえるように手伝うのが私たちの役割であり、「何をどう支援するのか?」ということに対する正解は、患者さんの中にしかないはずです。
しかし、つい「症状を和らげなければいけない」とか、健常者から見た自立感になってしまっていないか、常に点検していないと、患者さんとの信頼関係が築けないと思うのです。
私たちの行う医療サービスの役割やサービスの質・量を高め、専門性を育ててくれるのは、患者さんであることを自覚することが大切だと思っています。
社会で生活する人を支える病院でありたい
看護師さんに望むことは、「悩む」とか「迷う」というのを大切にしてほしいということでしょうか。客観的に、合理的に物事を考えることも大切だと思うのですが、患者さんも看護師も同じ人間として向きあってほしいと願います。人間くささがあってもいいと思うし、泥臭い部分は失ってほしくはありません。答えは医療従事者が出すのではなくて、患者さんが出すわけですから。
病院の中にいると患者さんを社会から切り離して考えがちですが、すべての人は社会に生きる存在です。他の科に比べて、精神科は「社会復帰」を支援する診療科です。だから私たちの病院は、精神疾患を持ちながら社会で生活する人を支える場所だと捉え、居宅生活をサポートするという役割を果たしていきたいと考えています。
当院は、人が生活する365日、24時間、いつでも患者さんを支えられる病院を目指したいと思っています。そのために看護師さんの力を発揮していただきたいと願っています。













